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「金の斧と銀の斧」の謎

 イソップ物語の中でも屈指の知名度を誇る「金の斧と銀の斧」ですが、個人的にはこの物語にはモヤモヤする"謎"があります。
 それは、「なんでずるい木こりはストレートに『はい!その金の斧を落としました!』って言っちゃうんだよ!」ってところです。

「正直なところを褒められた」って聞いてないの?
 いうまでもなく、正直な木こりは「正直なところ」を褒められ(感心され)、その御褒美として金の斧と銀の斧を貰えたわけです。上のリンクでも、家にある絵本でも台詞に差異はあれど、「(木こりが)正直であること」を褒めているシーンが明記されています。つまり、「正直者であること」は「金の斧を貰う」にあたって重要な条件ということになります。
 が!ずるい木こりにはそれがまったく伝わっていません。では、なぜ伝わらなかったのでしょうか?その理由を、一文で済まされますが話の重要な転換期であると考えられる「その話を聞いたずるい木こりは、早速斧を持って~」の部分に注目して考えてみました。

1.情報不足
正直な木こり「♪♪~」
ずるい木こり「あ!なんだこの金の斧と銀の斧は!」
正「それがさ、木切ってたら斧を泉に落としちゃったんだよ。そうしたら、泉から女神様が現れて、貰った。」
ず「マジで!俺もほしい!(駆け出す)」
正「あっ!(『正直に落とした斧を答えたらその御褒美で』って伝える前に行っちゃったよ・・・。)」

 まずはこんな感じ。でもこうなると、この物語の教訓は、「欲張り者は損をする」ではなくて「情報不足は損をする」「人の話はちゃんと聞け」ってなりますよね。
 あとひょっとすると正直な木こりは、自分が利益を独占する為に、もしくは普段から「ずるいなぁ」と思って快く思っていなかったずるい木こりに一泡吹かせてやろうと、わざと重要な部分を伝えなかったのかもしれませんね。その場合、この物語の教訓は「正直者もお金がくらむと人が変わってずるくなる」とか「日頃の行いが悪いと、ここぞというところで損をする」になりますね。

2.話を聞いていたが忘れた
正直な木こり「♪♪~」
ずるい木こり「あ!なんだこの金の斧と銀の斧は!」
正「それがさ、木切ってたら斧を泉に落としちゃったんだよ。そうしたら、泉から女神様が現れて、『あなたが落としのはこの金の斧ですか?』って聞いてきたから『いいえ、私が落としたのは普通のボロい斧です。』って答えたら、『あなたは正直な人ですね。』って褒められて、貰った。」
ず「マジで!俺もほしい!正直に申告すればいいんだな!」

件の泉に行き、斧を落とすずるい木こり

女神「あなたが落としたのはこの金の斧ですか?」
ず「(うわ!ホントに出た!)えーと、そうです!この金の斧です!(あっ!しまったーーーーー!)」

 次にこんな感じ。正直な木こりは正直に情報を話しますが、ずるい木こりのずるい心がポロッっと出てしまい、自滅します。この場合の教訓は「ここぞという場面では(緊張などから)"普段の自分"が出てしまう。」になります。受験の時の面接練習の時によく言われるやつですね。

3.「その話を聞いたずるい木こりは~」の「その話を聞いた」は正直な木こりから聞いたのではなく伝聞
 本によっては正直な木こりから直接聞いたという描写が書かれいたりしますが、ひょっとしたらずるい木こりは伝聞で聞いただけで、伝言ゲームがなされる過程で「正直に答えた」の部分がなくなってしまったのかもしれません。その場合、この物語の教訓は「情報源(ソース)はしっかりとね!」ということになります。うーん、現代風。

4.実は正直なきこりは「正直ですね」と褒められていない
 絵本などでは女神は「あなたは正直者ですね」と木こりを褒めていますが、これは子どもに分かりやすくするためのデフォルメで、ひょっとしたら本来は「あなたは正直者ですね」というのは女神の心の声なのかもしれません。
そうすると、正直な木こりは「泉に斧落としたら、なんか知らんけど貰えた(*^〇^*)」となって(正直な木こりにとって落とした斧を正直に申告することは当たり前のことだか気づいてない)、ずるい木こりが「泉に斧を落とすと金の斧がもらえる!」と勘違いしたのかもしれません。

まとめ
Q.なぜ、ずるい木こりは「正直に答えた」の部分が抜け、ストレートに「金の斧ください!」と言ったのか?
A1.ずるい木こりの早合点
A2.正直な木こりの策略
A3.分かっていたのにできなかった
A4.金の斧に関する情報のソースが不正確
A5.正直な木こりもなんで金の斧がもらえたのかよく分かっていなかった

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